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はじめに |
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近年増加しているベンチャー企業では、資金力や組織の規模ではなく、組織のメンバー個人個人の能力が事業の成功のカギとなります。個人の専門分野における知識・能力・ノウハウがビジネスの成功のカギを握っています。そのため、起業を考える際には、いかにして有能な人材を集めるかという点が、重要なポイントとなります。
有能な人材は自己を高く評価してくれるパートナーを求めます。その結果、個人にとっての魅力ある利益配分(分け前)を実現できるような新しい組織形態が望まれるようになりました。それを実現できる組織形態がLLP(有限責任事業組合)です。
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LLPは新しい起業の形態 |
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LLP(有限責任事業組合)とは、個人や企業がより手軽に起業することを可能にする新しい制度(組織形態)です。
従来の主な起業形態である株式会社・有限会社に比べて、LLPでは、経営者(起業家)は組織を自分の目指す形に合わせて自由に設計し、運営することが可能になります。それゆえ、不要な機関を設置しなくてもよいので、組織の設置・運営にかかる手間とコストが削減できるのです。
また、株式会社では、株主への利益の配当はその持ち株数に応じてなされますが、LLPでは、その出資比率にかかわらず、各出資者の事業への貢献のレベルに応じて自由に定めることが可能です。極端な話、1円の出資者であっても、組織にとって重要な役割となる人には他人より多くの配当をすることができるのです。
そのため、各出資者は自己の能力に応じた配当を受けることになり、またそれは、モチベーションを高める要因にもなります。
LLPは、資金力や専門分野における知識・能力の異なる仲間が集まり、同じ目標に向かって努力するという組織には、非常に魅力的な制度(組織形態)となります。 |
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LLPと他の組織形態の比較 |
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LLP、LLC(合同会社)、株式会社、民法組合について比較検討してみましょう。どの組織形態で起業しようかお悩みの方は参考にされて下さい。
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LLP
(有限責任
事業組合) |
LLC
(合同会社) |
株式会社
(新会社法) |
民法組合 |
| 法人格 |
無 |
有 |
有 |
無 |
| 責任 |
有限 |
有限 |
有限 |
無限 |
| 課税 |
構成員課税 |
法人税 |
法人税 |
構成員課税 |
| 損失の分配 |
○ |
× |
× |
○ |
| 組織変更 |
不可 |
可 |
可 |
不可 |
| 設立登記 |
要 |
要 |
要 |
不要 |
| 構成員数 |
2名以上 |
1名以上 |
1名以上 |
2名以上 |
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有限責任性 |
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有限責任とは、株式会社と同じく、出資者の責任が限られているという意味です。出資者は出資額を限度として有限責任を負うことになります。逆に言うと、出資の額までしか責任を負わないということです。なお、有限責任の反対を無限責任といいます。
例えば、LLPが事業に失敗し、負債を抱え解散してしまった場合、無限責任であれば、出資者は自己の出資した額をあきらめなければならないうえに、負債についての負担も負うことになります。しかし、有限責任であれば、出資者は自己の出資した額までしか事業上の責任を負わなくてもよくなります。
このように、有限責任の方が事業をする上でのリスクが限定されるということになります。そのため、出資者を集めやすいという利点が生まれます。 |
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内部自治原則 |
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LLPでは、株式会社で定められているような株主総会や取締役会、監査役会などの設置について法的な拘束がほとんどありません。そのため、組合員の合意により、自分が作ろうとする組織に一番合った独自の形を作り上げることができます。つまり、LLP組合員の話し合いによって内部組織が柔軟に設計できるため、LLP組合員の合意があれば、意思決定に要する時間が短縮され、スムーズな組織運営が可能となるのです。
また、LLPへの出資比率にかかわらず、各出資者の事業への貢献の度合いなどに応じた利益配分の割合を、組合契約書に定めることができます。(株式会社の場合は利益配分は持ち株数に応じてなされます。)そのため、LLPでは組合員の合意により、各組合員への実力評価による損益配分が可能となります。その結果、LLP組合員にとって働きがいのある組織を作ることができ、各組合員のモチベーションアップを期待することができます。 |
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構成員課税(パススルー課税) |
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LLPと異なり、法人格を有する株式会社などの組織では、法人税が課されます(LLPには法人格がありません)。また、その後に利益配分をした時点でさらに課税されることになります(二重課税)。
それに比べ、法人格を有しないLLPでは、法人税は課されません。LLPでは、出資者に利益が分配された時点で初めて課税されることになります。これを「構成員課税(パススルー課税)制度」といいます。
出資者に直接課税されるため、LLPの活動で生じた損失の分配を受け、組合員自身の他の利益と通算して、全体の課税対象額を圧縮することが可能となるため、ハイリスク・ハイリターンの事業においては大きなメリットになると言えます。ただし、税制改正により、損益通算は出資額を基礎とする一定の範囲内と定められているので、注意が必要です。 |
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